プロの料理人も実は困っている出汁のお悩み解決例
天満屋商店 代表の清水です。
今回はプロの料理人の方々から聞かれるお出汁のご質問やお悩み、そしてその解決例を簡単に紹介します。
お出汁はそのお店の味の土台を支えるとても重要なものであり、この部分でブレや迷いが生まれると、味が安定しにくくなります。そんなとても重要な役割を担うお出汁のお悩みで、よく聞かれるものを2つほどご紹介。
「香りは立つが味が薄く感じる」
鰹節の削り、いわゆる花かつおは「香りのかつお」といわれるほど嗅覚に訴えてくる部分が強いのが特徴です。
しかしお出汁の引き方にもよりますが、若干そのほかの削りに比べると味が薄く感じられるのも確かです。
こういった場合、濁らないギリギリのラインの温度でお出汁を沸かしてみてください。
目安は約70℃~75℃。浸透圧でじっくり、旨味と鰹本来の味を引き出すのが狙いですが、
少しでも温度が上がってしまうと濁りやすくなってしまうのでご注意ください。
そこで私がおすすめしているもう一つの解決策が、「宗田カツオの削り節を少量だけ加える」というもの。
業界では宗田カツオのことを「目近」と呼んでいるのですが、
「香りのかつお」に対して「味の目近」と言われるほど舌に残る風味が強いのが特徴です。
目安として普段使われている花かつおの量に対して1割ほど加えてもらいます。100gに対して10 gほどです。
これだけでかなり変わってくるのと合わせて、出汁を引いた時の色見も特に変わることがないのでおすすめしています。
「出汁が濁る」
濁りの原因が削りにあるのか、
そもそも調理をされる方の出汁の引き方に問題があるのかにもよりますが、
このお悩みもよくご相談を受けます。
一番多いのが削り節の保存に問題があり、
酸化してしまい本来の出汁の良さが発揮できていないことが多いのですが、
基本的に開封後は「湿気の少ない場所で涼しく日の当たらない冷暗所等」で保管してください。
酸化や日焼けを起こすとお出汁を引いた時に酸味が出たり、濁りやすくなってしまいます。
もう一つの原因が「昆布との相性の悪さ」です。
昆布のぬめり成分と鰹の脂肪分が反応して「白濁に近い出汁」になってしまうことが稀に起こります。
これに関してははっきりと解決策を提示できないのが悩ましいところですが、
私がいつもご提案しているのは「昆布を変えてもらう」この一点です。
昆布屋さんにも何度か相談に行ったのですが、
この問題に関して昆布屋さんもよく相談されるそうでいろいろ調べたり試したりしてもお手上げ状態だったそうです。
この「白濁に濁る」問題に関しては、昆布を変える、削り節を変える、この二点で対応してみてください。
いかがでしたでしょうか?
意外と皆様も経験したことのある問題かと思います。
大阪鰹節類商工業協同組合では、こういった問題に強い会社がたくさん在籍しております。
お困りの際はお近くのお店まで是非お問い合わせ下さい。
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筆者:天満屋商店 清水