NEWS インタビュー
2022.11.02 インタビュー

出汁が良ければ毎日しあわせ、富久屋のお話

なぜ、大阪ではおいしい鰹節が育つのか。その秘密に迫る深堀り企画。
「おおさかの鰹節育て隊」が各企業や店舗に取材に伺い、その様子をレポートします!

今回は富久屋さんにお話を聞きました。

 


昔から愛される鰹節店、富久屋

私たちは削り屋として一般のお客様や飲食店、食品会社の問屋さんに卸しています。昔から変わらず、現在も私たちの鰹節を買いに来られるお客様が多いですね。中には「母親が昔からここの鰹節を使っていて、自分の子供にも同じ出汁を使って料理を食べさせてあげたい」と言って買いに来られるお客様もいらっしゃいます。

 

美味しい出汁で良い一日を

料理人も一般家庭の方も料理をする時はまず出汁を取りますが、出汁が美味しくないと残念な気持ちになりますよね。でも、美味しい出汁ができたらその日の一日は嬉しい気持ちになる。私たちはお客様に美味しい出汁を取って、その日が良い一日になってほしいんです。そのためにも原料の良し悪しの見極めだけでなく、削り節の配合もしっかりと行っています。

 

お客様の声が富久屋の出汁をより良くする

私はお客様とお話しすることが好きで、富久屋の鰹節の感想を聞くんです。お客様の中には「あんたのところの出汁にかかっているよ!」と冗談半分で言ってくれるお客様や、「鰹節美味しかったよ!」と褒めて頂けることもあって、その時が一番嬉しいですね。逆に「出汁が濁っていたよ」とか「味がいまいちだった」と言うお客様もいらっしゃいます。正直に言っていただけることは私たちにとってすごく嬉しいことで、そのような声を大切に原料の見直しを随時行います。お客様は出汁の良し悪しだけで離れていく方は少なく、正直なコミュニケーションを重ねることで信頼関係が生まれていると思います。

 

出汁の質を保つために日々工夫。

削り節の世界は味がすべて一緒なんてことはありません。なので、混合出汁の場合はまずウルメやサバなど土台となる原料から取れる出汁の質を決めてから仕入れています。そして決めた原料が少なくなってきた場合は混合していた原料の出汁に合うもの、似た質のものを選びます。味が日々変化する世界だからこそ、出汁の品質がなるべく落ちないように毎日工夫しています。

 

大阪の出汁の魅力をもっと広めたい

大阪の出汁文化は他の地方と比べるとサバ、ウルメ、ムロアジ、イワシなど削り節の配合の割合が違いますね。地方は地方なりの美味しい出汁の配合があると思いますが、大阪も大阪なりの伝統的な配合によって出汁文化が現在まで続いていると思います。

昔、友達とキャンプに行ったときに、持参した鰹節と昆布で出汁を取ってうどんを作ったんです。友達も子供もみんな美味しいと言ってくれて、友達の中には「あのうどんの出汁が忘れられない」とうちのファンになってくれました。最近は、若い世代は出汁を取る生活が減っていますが、ひと手間の作業で本当に美味しい出汁が出来るんです。これからもお客様に鰹節を届けながら大阪の出汁文化の魅力、美味しさを伝えていきたいですね。

 


株式会社富久屋
→大阪の鰹節専門店富久屋さんのご紹介ページはこちら

所在地
〒546-0001
大阪市東住吉区今林1-2-68
大阪市中央卸売市場東部市場11棟44